WordCamp2019東京というWordPressのイベントに参加してきました。
WordCampは「WordPressの学会」的なものです。
いくつかの部屋で複数の講演が同時に行われるので、聞きたい話を選んで聞きます。
いずれも今が旬の話題です。
そこで今回は、WordCampで聞いてきた「WordPressの今」について、ざっと紹介します。
- WordCampに来られなかった
- WordCampには来たけれど、他の会場の話も聞きたかった
という方に向けて、ぼくが聞いた限りではありますが話題をシェアします。
では、いってみましょう
WordCamp 2019 東京の講演まとめ
「サイトが消えてからでは遅い!明日につなげるWordPressの保守管理」
- 吉田哲也さん(@tetsu8yoshida)
- ホームページ制作もこなすwebコンサルタント・上級ウェブ解析士。
- 著書に『WordPressセキュリティ大全』
WordPressの保守管理のお話でした。
以下、要点です。
- 保守管理でやることは「更新」「バックアップ」「セキュリティ」の3つ。
- 更新は脆弱性を減らすために行う。対象は「コアファイル」「プラグイン」「テーマ」「PHP/MySQL」。
- バックアップはプラグイン「UpdraftPlus」が便利。
- セキュリティは「更新」が前提。まずはプラグインだけでも入れる。「All in One WP Security」、日本語なら「Site Guard Wp plugin」。
更新は何か不具合が出そうで、いままで積極的にはやっていませんでした。
しかし、結論は「どんどんやるべき」です。
とはいえ「サイトが壊れたらどうしよう」という怖さはありますよね。
そこで、バックアップをとった上で「復元テスト」をしておく。
すると安心感がありますよ、とのことでした。
講演のスライドはこちらから見られます。
▶︎サイトが消えてからでは遅い! 明日につなげるWordPressの保守管理
「WordPressではじめるA/Bテストのススメ」
- 井水大輔さん(@ImiDai)
- エスファクトリー代表、メルサインターナショナルCMO。ウェブ解析士協会ブランディング委員長。
- 著書に『Google オプティマイズによるウェブテストの教科書』
A/Bテストすごいよ、継続すると確実に成果につながるよというお話でした。
以下、要点です。
- 失敗するウェブテストは目標が明確でない。「SMART」に当てはまっていなかったら具体性が欠けていると考える。
- 問題に優先順位をつける。改善した時によりインパクトが出るところを直す
- 仮説を持つ。成果が上がった時に「なぜ?」を考えると再現性が出る。
- A/Bテストは「Google オブティマイズ」が簡単で便利。設定は検索すればわかる。
A/Bテストの考え方はとても単純ですが、意外とやらない人が多いはず。ぼくもそうです。
- やり方がわからない
- めんどくさそう
というイメージがあったからなんですが、今回のお話でわりと簡単にできそうだとわかりました。
「WordPressを使って社会の課題解決を目指す」
- 額賀順子さん(@nukaga)
- フリーランスのWebデザイナー。NPO法人男木島図書館理事長。男木島在住。
- 著書に『WordPressのやさしい教科書。手を動かしながら学ぶ実用サイト作りと正しい運用 5.x対応版』
WordPressは社会の課題解決に使えるし、相性がいいというお話でした。以下、要点です。
- SDGsー持続可能な開発目標ーは「国際社会共通の目標」ではあるけれど、「自分たちがいる場所をもう少し良くする」ということ。
- キャリア的にまったく違うことに飛び込んだことで、ものすごく世界が広がった。
- いろんな媒体がある中でWebサイトは情報の中心に置くべき。Webと紙媒体の橋渡し的なものになる。
- 「やりたいこと」「できること」「できるようになりたいこと」を聞いて、そこに向けてWPをどう生かすかを考える。
- WordPressを使える人は少ない。お金にならないことが広報活動になる。
WordCamp 行ってみて気づいたんですが、ぼくは「WPでどうやってサイトを作るか」ばかりで、「WPサイトで何をするか」はぜんぜん考えてなかった。
サイト作れるのに使い方をわかってなかったというか、使うのは自分じゃないと決めつけてました。
ここに活路がある気がします。 #wctokyo
— カトヒサ🇯🇵地道なWeb系フリーランス (@hisayosky) November 2, 2019
WordCamp 行ってみて気づいたんですが、ぼくは「WPでどうやってサイトを作るか」ばかりで、「WPサイトで何をするか」はぜんぜん考えてなかった。
サイト作れるのに使い方をわかってなかったというか、使うのは自分じゃないと決めつけてました。
ここに活路がある気がします。
このツイートの通りで、ぼくはWordPressをどう使うかまったく考えてませんでした。
その意味で衝撃的なお話でしたね。
額賀さんのスライドはこちらから見られます。
「クライアントワークのオリジナルテーマ制作 〜実務でのWebサイト構築の抑えどころ〜」
- 中島真洋さん
- FlipClap Inc. 代表。Web 系エンジニア&デザイナー。北区赤羽とミャンマーのヤンゴンで仕事をしている。
- 著書に『WordPress 仕事の現場でサッと使える!デザインの教科書』
クライアントワークで役に立つTIPSとブロックエディタのお話でした。
中島さんのお話以外にもブログエディタに関する講演がいくつかありました。
WordPress界隈においてブロックエディタはかなり注目されてますね。
以下、要点です。
- デザイナーが「ブロック」を把握すると、制作フローが簡単になる。つまりワイヤーをブロックエディタで作れてしまう。
- ブロックにはパーツのデザインが貯めておける。少し手直しして配置するだけでいろんなサイトに使える。
- 「ブロックを資産にする」という考え方ができるようになる。
ブロックエディターがWebデザインを簡単にするかもしれない。
これはまったくなかった発想でした。
ブロックを資産にできるのは、コード書くのが遅いぼくとしてはとても明るい未来です。
「デザイナーと情報発信のいい関係」
- 角田綾佳さん(@spicagraph)
- 株式会社キテレツ デザイナー&イラストレーター。
- ブログ:デザイナーのイラストノート in.spicagraph.com
情報発信のお話でしたが、それ以上に「イラストの力」をまざまざと感じた人も多いはず。
以下、要点まとめます。
- デザイナーは「見てもらう仕掛け」を作ることができる。銀行のカレンダーはかわいい犬猫の写真があるから飾ってもらえる。
- 素直に聞いて実行する人になったら情報は引き寄せられる。「自分」「教えてくれる人」「読む人」の三方よしがいいと思う。
- 情報発信とは「ちゃんと話を聞いてもらえる人になる」こと。
サッカーでいう「司令塔」みたいなものでしょうか。
来たパスをどんどん流す。いいパスをする人だと周りが認識しているからボールが集まる。
そんなイメージでお話を聞いていました。
繰り返しますが、こちらのスライドを見てください。
他にもお話を伺ったのですが、理解が追いつかずメモが取れなかったり、他の講演と重なって聞けなかったりしたものもありました。
スライドを見つけたものはこちらに貼っておきます。
まとめ:WordCamp2019 は行ってよかった
TwitterでWordCampのことを知り、思いつきで参加しましたが、行ってよかったです。
WordPressの可能性を知ることができ、自分の考え方がちょっと違う方向にシフトしたと思っています。
ちなみにチケットはわずか2000円。
ぼくは長らく医療業界にいましたので、この価格にも少なからず驚きました。
と言いますのも、医療系の学会ですと参加費が2万円ほどするからです。
WordCampはかなり良心的です。というか本当に大丈夫なのか。。。
東京だけでなく、日本各地でやっているようです。
機会を見つけて足を運んでみてはいかがでしょうか。