今年度いっぱいで退職が決まっているカトーです。
ぼくは退職したらフリーランスとしてやっていくので就活はしていません。一般的には退職前に就活をして新しい勤め先を決める人が多いのではないでしょうか。
求人募集を探して希望の会社に連絡を取り試験と面接を受ける。合格すれば晴れて採用となります。
あらかじめ他社から声をかけてもらって仕事が見つかるというパターンもあるでしょう。
これ以外のパターンってあると思いますか?
最近はどうも「会社のほうから来てくれる」という夢の中ようなパターンが存在するようなのです。今日はそんな話をします。
ある日のツイート
ある日、塩谷舞さん(@ciotan)からこのようなツイートが流れてきました。
こんなことってどんなこと? と興味が沸きましてリンクを開いてみたところ「会社辞めましたので転職先探しておりまーす」というツイートだった。
これだけならへーで終わるのですが、その下のリプライを見ていくと、
なんと、求人が列をなしている。。。採用担当者が大挙して押し寄せているではありませんか! その数なんと18件! しかもほとんどがツイートの主(「まえとーさん」という)と面識がないようです。
これはたしかに
「こんなことが起こるの!!!」ですわ。
なっとくですわ。
目ぇむきましたわ。
なぜこんなことが起こったのか
メッセージにもあるように求人を出した方々はブログを見て連絡されてきているようです。
いったいどんなブログなんだろう? と思ってリンクに飛んでみると、
「Respecの書き方を先輩たちに質問してみた話」
「2次元配列の行列を入れ換える」
「DockerでRedmineを動かす」
意味のわからないタイトルがいっぱい並んでいた。これは間違いなく専門性の高いブログです。何かのやり方が説明されているのはわかりましたが、ぼくのような門外漢にはなんのことだかわからない。見る人が見たらわかるというブログのようでした。
これを見て「うちにぜひ来てほしい」と思われたわけです。ということは採用担当の方々がまえとーさんについて知りたかったことはブログにほぼ書いてあったと考えられます。
一般的には履歴書をみて試験をやって面接をした上で「ぜひ」となる。そういった時間もお金も労力もかかる手続きがブログを読むだけでぜんぶ済んでしまったわけです。
事前にブログで自分のことを知ってもらえていれば「転職先探しておりまーす」で会社のほうから「ぜひ!」と来てくれるってことですよね。会社としても試験をする必要がないからラク。おたがいにいいことづくめではないですか。
・・・これはやらない手はない、と思いませんか?
ぼくは就活しないけれど、それでもやるべきだと強く思います。
とかいう問題ではないのです。
「ぜひ!」と言ってもらえるブログの書き方
とはいえ、なんでも書いて公開すればいいわけではありません。
もしまえとーさんのブログがただの日記だったら声はかからなかったでしょう。そもそも採用担当の方々の目に触れることすらなかったはずだ。
ではどんなことを書けばよいのか。採用担当者の視点でまえとーさんのブログを分析してみます。
自分の知っていることを書く
まえとーさんは自分がやってみたことを記事にしています。
たとえば「メモ:2次元配列の行列を入れ替える」という記事。自分のためのメモとして書かれたようですが、同じようなことで困っている人にはありがたい情報になります。いわゆる「シェア」というやつですね。
自分の知識をシェアすると「自分はこんなことができます」というのを読者の方々に知ってもらえます。自分が知っていることを介して自分自身のことも知ってもらえるのです。
自分が考えたことを書く
「エンジニア交流会のススメ」という記事。この記事では「交流会の趣旨」「開催に至った背景」がまず書かれています。その中の一節。
ただ、この2人に任せていても話が進まない危険性があります。私自身はこの人たちのように、すごく尖った技術を持っているわけではありません。ですが、みんなの苦手な日程調整・事前準備・書類作成などは得意なので、自分ができることで貢献したいという想いで実行委員長を務めることにしました。
この部分を読んだだけでも、まえとーさんは「しっかり者」「謙虚」「チームプレイができる人」といったことが読み取れます。
さらにこのあと「運営のポイント」がまとめてあるのですが、
- 準備はちゃんとする(場所・予算・社内調整など)
- 仲間を見つけて準備や運営業務を分担する
- メインコンテンツだけ事前にお願いしておくと良い(集客しやすい)
なんか効率よく仕事してくれそうじゃないですか。
こうしてみると面接をしなくても文章からまえとーさんの人となりが十分に垣間見られますよね。
自分がいまやっていることや職場環境を書く
「いま働いている環境について」という記事。
こちらの記事は一緒に働いてくれる人を募集するために書かれたもののようです。しかし採用担当の方々にも有用な情報となったはずだ。
まえとーさんの職場環境について記事から項目だけ抜粋しますと、
◆出社時間は自由
◆気が向いた日は自宅でお仕事したりカフェでお仕事したりもOK
◆グループ会社のエンジニアとも交流できる
◆エンジニアがそれぞれ特定分野に尖っていて面白い
◆チーム間での雰囲気が悪くない
◆喧嘩や言い争いではなく議論ができる
◆チャレンジウェルカム
◆レジャーや飲み会を強制しない
◆それぞれが大切にしているものを尊重している
とのこと。
こういった情報があると「この人はうちの職場に合いそうだな」とか「ちょっと無理かな」とか想像がしやすいですよね。
自分が好きなことを書く
好きと嫌いを表明しておくことも重要です。
「SHIROBAKOの細かすぎて伝わらない気がするけど好きなシーン(1話~12話)」という記事は仕事とはまったく関係ありません。完全に趣味の話です。
少し補足しておきますと「SHIROBAKO」というのはアニメのようです。
>>>【参考】「SHIROBAKO」とは ーピクシブ百科事典
このアニメの好きなシーンを1話ごとにピックアップし、どこがどういいのかわかりやすく解説されています。たとえばこんなふうに。
7話
寝起きのりーちゃん!!!
可愛い!!!
夜更かしの理由が「罪と罰を読んでたから」って!!!!!
興味があることに時間をガンガン使って、自分に栄養をたくさん入れているっていうのがわかるいいシーンですよね。
1話から12話までずっとこんな調子。実際の記事には該当シーンの画像が貼り付けてあるのでイメージがしやすくなっています。
ぼくはこのアニメを知らないので共感はできませんが、まえとーさんがほんとうに好きなんだなというのはよく伝わってきました。
好きなものがあるっていいよねー。採用担当者目線でも好感がもてます。
読み手にわかりやすく書く
でも一番大事なのはこれ↑。
上に挙げた記事はぜんぶとてもわかりやすく書いてありました。技術系の記事は見る人が見たら真似できるように画像を添付するなど工夫して書かれていました。
これって相手に「親切」ということですよね。
相手のことを考えて話ができるかどうか。それができる人なら相手のことを考えて行動ができるでしょう。
一緒に働くなら相手のことを考えられる人のほうが絶対いい。ブログのなかでそれが一番表れるのが「書き方」のところです。
逆の見方をすると一緒に働きやすそうな人かどうかは書き方を見れば見当がつくということです。
まとめ
以上のようなポイントを押さえて発信していると、ツイッターで「転職先探していまーす」とつぶやいただけで採用担当者が押し寄せてくるなんてことが起こるかもしれません。
もちろん読者を集められるブログであることが前提ではありますが、それはあくまで結果でありまして、読者を集めるにしても上に挙げたようなことは押さえておくべきかと思います。
就活に限らずブログやSNSがきっかけで面識のない人と会う機会は今後増えていきますし、すでにけっこうあったりもします。あらかじめ自分のことを発信しておくと初対面の壁は越えやすくなります。
面識のないブロガー同士が「はじめてあった気がしないですねー」と言い合うのはよくある光景だとか(自分はまだ経験がないのでよくわかりません)。
いずれにせよ「発信すること」をやらない手はないですよねーってお話でした。