元医療職としてお話しすると、医療職から異業種への転職はしづらい。
・「立派な仕事」という周りの評価
・苦労して取った資格
・わかりやすい実績がないたくさんの患者さんを見てきたことも、学会で発表したことも、他の業界の人からすれば「業績」というには苦しい。頑張ったのはわかるけど
— カトヒサ🇯🇵地道なWebマーケ担当 (@hisayosky) January 18, 2020
今回はこちらのツイートを深掘りします。
実際、医療職から異業種への転職は、実績的にも精神的にもハードルが高いです。
とはいえ不可能ということはまったくありません。
ぼくは言語聴覚士という医療職から完全な無職を経てWeb系フリーランスとなり、現在は大手企業グループにてWebマーケティング担当をしています。
この記事では、医療職が異業種に転職しづらい理由を踏まえ、どうしたら転職に続く階段を上れるか解説します。
- 医療職辞めてほかの仕事がしたいけれど、どうしたらいいかわからない
- 今日からできる小さな行動が知りたい
という方はぜひどうぞ。
医療職が異業種へ転職しづらい理由
上のツイートの通りです。
- 「立派な仕事」という周りの評価
- 苦労して取った資格
- わかりやすい実績がない
医療職出身者は他の業界へ売り込めるスキルがない上に、自分でも「医療職しかできない」と思い込みがち。
周りに相談すれば、「辞めてどうするの?」「いい仕事なのに」と100%引き止められます。
安定感抜群なところが、転職時には逆にツライ。
医療職から異業種へ。本気で転職したいならこれをやれ
本気で転職したいなら、やるべきことは以下の3つ。
①職場に「辞める」と言う
辞めたいなら、とにかく退職すると宣言します。これをやらないとなにも始まりません。
「何も決まっていないのに、辞めるなんて言えるわけない!」
と思うかもしれません。
しかし考えてみてください。
病院に勤めながら、理想の転職先が見つけられますか?
転職に必要なスキルは身に付けられそうですか?
まったく違う業界に行くなら相応の準備と覚悟が必要です。
そのためにいるのは時間と体力。
いままでどおり病院の仕事をやりつつ準備をするのは不可能ではありませんが、ハードルはかなり高いです。
辞めると伝えてしまえば、準備もしやすくなります。腹のくくりかたも変わるでしょう。
ただし辞めると言う前に貯金はしておいてください。退職金も計算に入れてOKです。
辞めて1年は持ちこたえられるくらい貯めてあれば大丈夫。ここにはスキル習得にかかる費用も含まれます。
②実績を作る
実績の作り方は3種類あります。
「情報発信」と「ポートフォリオ」、そして「クライアントワーク」です。
情報発信で実績を作る
実績を作ろうにもスキルがない!
そんな人は情報発信からはじめましょう。おすすめはTwitterです。
「Twitterなんてやってどうするんだ!」と思うかもですが、SNSはつねに公開されている履歴書みたいなもの。
転職する際には必ずチェックされます。実際、その人の地が出やすいのでよく見られるんですよね。
発信するのは、あなたが転職に向けてやっていることや気づきについて。
あなた自身の体験を、自分と同じような境遇にある人の役に立ちそうな形で発信すればOKです。
ツイートの仕方がわからない人は、「#デイトラ」でツイッター検索して出てきたツイートを見ながら真似してみてください。
Twitterは転職に向けた積み立て貯金みたいなものです。
手軽にできますし、継続できればあとでじわじわ効いてきます。
投稿には慣れも必要なので、まずはTwitterからやるのがおすすめです。
ポートフォリオで実績を作る
スキルはあるけど、いきなりクライアントワークはハードルが高い。。。
という人はポートフォリオを作りましょう。
ポートフォリオは自分の作品集みたいなものです。
イラスト、デザイン、記事制作。なんでもいいですが、自分が進みたい業界と関連があるものを選びましょう。
作ったものを見せれば、何ができるのかわかりやすいですよね。
ポートフォリオ作りのポイントは「人が見られるようにしておくこと」です。
Web制作をやりたいならポートフォリオサイトを作ればいいし、デザインがやりたいなら cocoda! のようなサービスを利用するのもいいでしょう。
クライアントからのデザイン依頼を想定した「お題」に対して制作をして投稿する学習サービス。作ったデザインと説明を投稿すると自動でポートフォリオができる。ツイッターにも投稿するとなおよし。
クライアントワークで実績を作る
現段階でスキルがないなら、クライアントワークで実績は作れません。
Web制作やデザインのスキルなら、退職後に集中的に勉強すれば数ヶ月で身につけられます。
ですので在職中は焦らず、「どんなスキルを」「どんな方法で」身につけるのか、情報収集するところからはじめましょう。
Web関係のスキルの場合、身につけ方は独学からスクールまでいろいろあります。
どれも一長一短です。あなたに合うものを選んでください。参考リンクを貼っておきます。
- 独学:東京フリーランスの30DAYSトライアル
→ 独学・無料で案件こなせるレベルを目指すならこれ。独学だけにモチベーションを継続できるかがポイント。 - サポート充実のスクール:TECH::EXPERT
→ 年齢制限なしで転職サポートがあるなど、サポート体制の充実がピカイチ。無料のキャリア相談もあり。 - Webデザイナーを目指す人向けのスクール:【デジタルハリウッド STUDIO by LIG】
→Web制作会社LIGが運営するWebデザインスクール。Web制作のリアルな現場に近いところで学べる。 - 個人が運営するスクール:iSara
→ フリーランス界隈の人と知り合える。参加者の成果の出し方が、だんだんエグくなっている。
③相談できる人を探す
あなたが知りたいのは、医療職を辞めた後の話ですよね?
それなら転職経験者やあなたが行きたい業界にいる人に相談しましょう。
言語聴覚士を辞めたい人の相談に乗ると「親や周りに反対される」という悩みをよく聞きます。
自分の周りにいる人は「医療職はいい仕事」と思っていますので、相談すれば反対されるのは当然です。
反対されるのがイヤなら相談はせず、報告だけしてください。
相談相手はTwitterで探すのが簡単です。いい人を見つけたらフォローしてDMを送ればOK。
ただし、Twitterだからといってテキトーなメッセージを送ると返事はもらえません。全力で丁寧な文章を書いてください。
いい人が見つからないようであればご相談にのりますので、ご希望の方はツイッターのDMかブログのお問い合わせからご連絡くださいませ。
医療職から異業種へ転職した人を参考にしよう
実際に転職できた人がしてきたことを知ると、自分がこれからやるべきことのイメージが湧きます。
そんな参考になりそうな人を何人か挙げておきます
- かわさん(@MondBrandNet)
→バイトしながらWebデザインを勉強。4年のフリーランス生活を経てフルリモート&フレックスの会社に採用されました。採用の際にポートフォリオが必要なかったのが興味深い。 - コージさん(@koji_ot)
→ブラックな精神科病院を退職後に、フリーランスとして独立。ブログコンサルもやっておられるようです。 - NORYさん(@mavuya)
→医療職から転職とはちょっと違いますが、福祉用具専門相談員をしながら副業でコーディング代行されてます。
ツイッターを使えば「デザインの勉強」「フリーランス」「Web制作」などいろんな視点で、すでにやっている人を探すことができます。
ロールモデルを見つけると、自分の理想にまた一歩近づけますよ。
「辞める」と言える覚悟はあるか?
いろんな人の相談に乗ってみて思うのは、「やる前に質問してくる人」が多いということです。
「失敗したくない」気持ちが強いのだと思いますが、質問してもしなくても成功確率はそんなに変わりません。
ぼく自身の経験では「辞めます」と上司に伝えたのが、スイッチでした。
状況と気持ちがゴォーっと動き始めたのはそこからです。
医療職から異業種への転職が大変なのは、気持ちの面がかなり大きいと思ってます。
医療職の人はやってきたことがたまたまニッチすぎただけで、他の業界へ行っても能力的に十分通用します。
いろいろ書きましたが、シンプルにいうと「決めて、動き続ける」。これだけなんですよね。