前回まででコブハウスの基礎が完成しました。つぎからは壁をつくっていきます。
が、その前に何点か補足をさせていただきます。
補足
そもそもコブって何?
コブ(cob)とは英語で「(石炭などの)丸い固まり」という意味。コブハウスに使うコブは土、水、藁、粘土、砂(砂利)の固まりということになります。
ちなみにスキー場にある「コブ」はコブハウスのコブと同じ意味です。雪の固まりということですね。ぼくは「こぶとりじいさん」の「こぶ」だと思っていました。
棒を立てる?
Day1の「場所決め」のところで「目印の棒を四隅に立てます」というあいまいな書き方をしてしまいました。調べたところ、あれは「地縄張り(縄張り)」というのだそうです。
今回の縄張りには冒頭の写真のような棒を上の図のように立てました。合計8本。
基礎の溝を掘るときにはこの棒と棒の間にピンと糸を張って、それをたよりに小麦粉の白い線を描いていったわけです。
建物の大きさ
3.6m×2.7m=9.72平方メートル。床面積が10平方メートル以内なら建築確認を受けずに済みます。
建築確認とは建物などの建築計画が法令や規定に適しているかどうかをみる審査です。審査は受けたくないですからこの大きさになりました。
コブスープの用途
基礎編の記事ではコブスープについての記述もあいまいにしていました。これは糊のかわりに使います。実際壁作りで使われました。
コブは少しずつ継ぎ足して壁を作っていきますが、できあがったときに壁が一枚岩になっていなければなりません。
乾いて堅くなったコブに新たなコブを付け足したり、基礎のブロックにコブを継いだりするときにあらかじめコブスープを塗っておくと接着がよくなります。
コブスープの材料は粘土と水だけ。比率はどうかといいますと
だそうです。
異議申し立て
基礎編公開後、異議申し立てがありました。
はい、次回からそのとおりにいたします。今回まではご勘弁を。
コブハウス建設に至った経緯
それは2017年5月のこと。トモさんが
とテルさんに問い合わせました。
テルさんは「マザーアースニューズ日本版」という雑誌を運営しています。トモさんはこの雑誌の読者です。
テルさんはマークさんをトモさんに紹介しました。
そうしたところトモさんがお2人をコブハウスづくりワークショップの講師として招きたいと申し出ました。
こうして毎週Skypeでの話し合いを重ね、コブハウスづくりワークショップの開催に至ったのでした。
ところでトモさんはどうしてわざわざコブハウスを作りたいと思ったんですか?
さすがです。
トラブル
コブハウスづくり壁編を語る前に、直前に発生したトラブルについて書き記しておきます。
トラブルは予測不能。だからこそトラブルのサンプルとして知っておいた方がよいと思うのです。
トラブルその1 畳の悲劇
前回のワークショップで断熱材に採用したのが畳でした。この畳にカビが生えてしまいました。
前回つくった基礎はブルーシートできちんと保護してありました(屋根をつくる時間はありませんでした)。しかし雨水を防ぎ切れなかった。
断熱材としてもう畳は使えません。あらたな断熱材が急に必要となってしまいました。できればお金はかけたくない。さあ、あなたならどうする。
結果、トモさんは瓦を取りに走りました(前回と同じ坂の上にあるあのお宅)。
そんなトモさんの姿を見て奥さんは
と思わずこぼしたそうな。
トラブルその2 川砂の悲劇
コブの材料には川砂(というか細かい砂利)が必要。ということで、トモさんはマークさんに電話で相談をしました。
というやりとりがあった後、この砂を安城市にある「久野商店」で事前に購入。
壁作りの直前に軽トラックで取りに行ってみたら
とユカさんが言ったかどうかはさておき。
マークさんが想像していたのより砂がずいぶん細かかったのです。これではコブが作れない(理由は壁編で説明します)。
しかし買ってしまったものはしかたがない。とりあえず持って帰ることに。
ところが、これを軽トラックいっぱいに積んで帰ろうとしたら、重すぎてタイヤが悲鳴をあげた。
いったん戻って量を減らしなんとか砂を運びました。
結局この軽トラックいっぱいの砂はトモさんとその僕(しもべ)たちが罰ゲームのように手作業でふるいにかけて使用に耐える砂に変えました。
こうしてやっとこさ準備が整ったのでした。
いよいよコブハウスの壁づくりがはじまります。
まとめ
- コブハウスづくりには人の縁が不可欠。
- 作業が円滑に進むかどうかは準備にかかっている。まじで。