ぼくは現在、事業会社に勤務するインハウスのWebマーケターです。
その前はフリーでWeb制作やデザインをやっていました。いわゆるフリーランスです。
フリーランスとしては自立するに至らなかったものの、フリーランスの経験があったおかげで会社員が務まっていると思っています。
今回は会社員の前にフリーランスをやっておいてよかった理由を解説します。
フリーランスになった経緯とやっていたこと
フリーランスになる前は言語聴覚士でした。理学療法士と並ぶリハビリテーションの一職種です。
ほぼ惰性で仕事していたのと、職場での人間関係がこじれて修復不可能になったのを機に病院も言語聴覚士も辞めました。
何かあてがあったわけではありませんが、言語聴覚士として転職しても先はねぇなと思ったんですよね。
このときすでに40代だったので就職しなくてもできる仕事をしようと思っていたところ、Web制作のスクールが目に留まります。ここで2ヶ月くらい勉強してWeb制作のフリーランスとしてスタートを切りました。
フリーランスのノウハウはこのスクールとその後の経験から学んでいます。その中で会社員として役に立っているものをご紹介します。
自分で調べる癖がついた
Web制作はスクールで学びましたが、基本的に講義ではなく自習です。
わからないことがあったら、質問する前にまず自分で調べること。これをコースの最初に念を押して言われました。
質問はしてもいいんですが、よっぽど調べた後でないと質問してはいけないという解釈でしたので、ほとんど自分で解決していました。
検索エンジンで調べればたいがいの答えが出てくるのを知ったのもこのときです。
これ以前のぼくは、技術的な問題を解決する方法がネットに書かれているなんて想像もしていませんでした。
質問の仕方がわかった
質問の仕方もスクールで口すっぱく言われていました。
チューターさんに質問するときは、以下がフォーマットとして決められています。
- 直面している問題
- それに対してやってみたこと
- その結果
- 結果を受けての自分の考えを述べる
こんなふうに質問しないと、自分の調べ物を相手にさせることになります。
ひいては相手の時間を横取りすることになるので、それを避けるために必要なフォーマットでした。
コミュニケーションコストを意識するようになった
質問もそうですが、コミュニケーション全般について相手に負担をかけないことを意識するようになりました。
究極的には、質問はYes/Noで答えられる形にするか、二択で答えられるようにする。こうすれば相手は深く考えずに答えられます。
誰しもコミュニケーションがラクな相手と一緒に働きたいでしょう。コミュニケーションにコストが発生しているというのは新しい考え方でした。
早い返信の価値を知ることができた
ぼくはスキルの低いフリーランスだったので、信頼を失うことに敏感でした。それを避けるために実践していたのが「早い返信」です。
実際これは効果絶大で、すぐに返信するだけで「ちゃんとした人だ」と思ってもらえて案件がいただけたこともあります。
メールやチャットで早く返事をすると、コミュニケーションにおける相手の負担が減ります。
返信がすぐに来るのは安心材料であり、この人に任せておけば大丈夫と思ってもらう基礎になる部分です。むずかしくないので今日からでも実践できます。
会社以外の人と知り合う機会ができた
病院で働いていた時より、辞めてからの方が多くの人と知り合えるようになりました。
Webマーケターとして会社員になっている今も同じで、まったく知らない人と一緒に作業したりご飯食べに行ったりする機会があります。
Web関係の仕事をしているだけではこうはならなかったでしょう。フリーの時に知り合った人を介していろんな人に出会えています。
自分の市場価値を意識するようになった
病院勤務時代は自分の市場価値なんて考えたこともありません。年齢とともに下がっていくからどうしようもないと思っていました。
フリーを経験したことで自分の市場価値は上げられるとわかったし、それは会社員でも同じであると理解できた。
これが会社での働き方を大きく変えたと思います。会社に貢献して自分の実績を作ることでしか、市場価値は上がりませんから。
まとめ
以上、「会社員になる前にフリーランスをやっておいてよかった理由」でした。
正確にはフリーになる前の病院勤務は会社勤めみたいなものでしたが、その時と今とを比べたら働き方も働く姿勢も全然違います。
結果的にフリーランスにはなれなかったけれど、自分には必要なステップでした。フリーランスになるのをおすすめはしませんが、失敗しても学べることはありますよ。