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小屋の作り方を習ってきました。墨付けの様子を紹介します【素人でも簡単】

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こんにちは。カトー(@hisayosky)です。

 

木と土で小屋作りワークショップ」に参加しています。以下の予定で小屋を作ります。

1回目  9月30日  :製材所・材木店見学→加工場にて墨付け作業
2回目 10月21日 :加工場にて刻み作業
3回目 10月22日 :加工場にて刻み作業
4回目 11月 3日  :加工場にて刻み作業
5回目 11月 4日  :加工場にて刻み作業
6回目 12月2日   :上棟・屋根葺き・竹木舞作業
7回目 12月3日   :竹木舞・土壁塗り作業

 

1回目は「製材所見学」と「墨付け」です。

「製材所見学」についてはこちらの記事をごらんください。国産の木材について製材所で話を聞いてきました。

◆参考記事
>>製材所で木材の話を聞いたら木の家が建てたくなった【国産材◎】

 

墨付けとは「材木を切り取るための線を書くこと」です。

寸法通りに材木に線を書いていくだけです。慣れれば素人でもできます。

今日はちょっとしたコツも含めて「墨付け」を解説します。

ではいってみましょう。

 

目次

墨付けの準備

どこに使う材木か確認する

今回作る小屋の模型です。

 

1日目に墨付けをするのは黄色く塗った6本の柱です。

ワークショップの参加者が6名いるので一人1本ずつ担当します。

 

柱を立てる場所の図面

6本の柱を上から見たところ。図の右側が屋根の低い方。

墨付けをする前に自分の柱がどこに使われるものなのか確かめておきます(ぼくの担当は左奥①」)

 

材木は「墨付け」「刻み」が終わると上の図のようになる予定です。

 

材木の「末」と「元」を見極める

材木には「」と「」があります。

地面に生えていたときに上だったほうが「末」、下だったほうが「元」。

 

生えている木は上が軽くて下が重くなっています。

材木も「末」が軽くて「元」が重いので、「末が上、元が下」になるようにして使います。

そのほうが安定するからです。

 

<柱の上下の見極め方>

① まずは木目を見る

左手のほうが広いので「元」かなと想像する

木目は下に行くほど広がり、上に行くほど狭くなります。これを利用して上下の見当をつけます。

 

② 次に「傷んだ節」を見る

じつは木目だけではっきり上下がわかることはまれです。そこで「傷んだ節」を探します。

「傷んだ」というのがポイントです。

 

節はもともと枝が生えていたところです。ここには水分が多く含まれています。

水分は時間が経つと節の下側に溜まり、節を腐らせます。

これが節が傷む仕組みです。

つまり、傷んでいる側が下であると考えられます。

 

以上2つのポイントから材木の「末」と「元」を決めます。

印をつけた材木

決めたら忘れないように印を付けておきましょう。

 

材木の表面を削る

長期間置かれた材木は日焼けなどで変色しているので表面を薄く削ってきれいにします。

 

こちらの機械を使用します。30年前のものです。

このくらい前に作られた機械はコンピュータが入っておらず丈夫なのだそうです。

 

材木は「末」から機械に通します。上から下に向かって削っていくわけです。

 

木目に逆らわないので表面がきれいに削れます

 

おがくず

大量のおがくずは有機農業の堆肥として利用できます。

捨てれば「産廃」となり処分に費用がかかります。

 

「芯出し」をする

「芯」とは、墨付けをするときに基準となる中心線のことです。

この芯を決める作業が「芯出し」です。

 

<芯出しのやり方>

① 材木の両端の真ん中に鉛筆で印をつけます。真ん中になる点は差し金で測って決めます。

 

② 一方の端の印のところにピンを刺します。

 

ピンを止めたところ

このとき糸の出所が真ん中の印と合うようにします。

 

墨付け

③ ボタンを押しながらするすると糸を引きだしていき、

 

墨付け

反対側の端で固定します。

 

墨付け。糸を引っ張っているところ

④ 糸をつまんで放すと、パチン!と糸が材木の表面を叩きます。

 

芯出し完了

⑤ 材木の芯ができました。

これで準備ができました。芯を基準にして墨付けを進めていきます。

 

墨付け

下ほぞ

ほぞ

「ほぞ」は、穴にはまる出っ張りのことです。

墨付けは下側から順番に行っていきます。

 

① ほぞの高さを採寸する

材木の下端から100mmとってカネを回します。

採寸

【「カネを回す」とは?】

「カネ」とは差し金のこと。材木を1周するように4つの面に順番に差し金をあてて、芯にたいして直角な線を引いていく。

 

カネを回すときには2つポイントがあります。

ポイント1 長いほうの内側を材木の側面に当てること

差し金の当て方

 

ポイント2 線を引く面が変わったら差し金をあてる辺も逆にする

差し金の当て方

こうすることで線のスタートとゴールがズレるのを防ぎます

 

② ほぞの幅を採寸する

芯から左右に15mmずつとって線を引きます。

芯を基準にして採寸するのがポイントです。

 

胴付きと上ほぞ

① 胴付きを採寸する

6本の柱の胴つきがすべて1800mmになるよう「バカ棒」を作ります。

バカ棒

バカ棒とは、決まった長さだけを測るために棒に印をつけたもの

今回は1800mm測りたいので、棒の端から1800mmのところに印をつけます。

これを使って下ほぞの線から1800mmを採寸しカネを回します。

 

② 上ほぞの高さを採寸

上ほぞは高さ140mmです。

ほぞ穴をあける材木が150mm幅なので、ほぞの頭が飛び出さないように140mmです。

胴付きの上端から140mm測ったら、カネを回して線を引きます。

 

③ 上ほぞの幅を採寸

上ほぞも下ほぞとおなじく幅が30mmです。芯から左右15mmずつ採寸します。

 

「ぬき」のほぞ穴

ぬき

「ぬき」とは柱と柱の間に渡される部分です。

建物の強度を上げるために入れます。

 

黄色い枠の数字がぬきの本数。0本のところは出入り口。

ぬきのほぞ穴は柱によって空ける方向と数が変わります。

 

ぬきのホゾ穴の位置もバカ棒で採寸します。採寸でのずれを防ぐためです。

ヌキのほぞ穴はほぞより少し大きめに作ります。入れるときに楔をかませて固定するためです。

 

以上で柱の墨付けは終了です。

次は「刻み」に入っていきます。こちらの記事で工程がわかります。

◆あわせて読みたい
>>DIYで小屋作りするなら知っておきたい「刻み」のコツをまとめてみた

 

まとめ:小屋の作り方。墨付けは素人でもなんとかできました

  • 材木には「末」と「元」がある。墨付けをするまえによく木を見ること。
  • 「芯」は墨付けの基準になる線。採寸は芯を使って行うこと。
  • 賢く正確に測るなら「バカ棒」を使うこと。
  • カネを回すとき同じ側ばかりで差し金をあてるとずれが生じる。

 

◆小屋作りの工程がもっと知りたい!
>>木製の小屋を自作する方法。刻みから組み上げまで写真付きでお見せします

>>DIYで小屋作り。竹木舞から土壁までの工程を写真52枚でお見せします

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