40代で転職したらどうなるか気になりませんか?
ぼくは45歳で企業研修の会社から Web 制作会社に転職しました。職種は変わらず「Web マーケター」です。
この記事では、40代の転職のその後について書きます。先に言っておくと、想像以上のしんどさでした。それでも転職してよかったと思っているので、その理由も含めて40代の転職後のリアルについてお伝えしていきます。
ではいってみましょう。
40代で転職したぼくの略歴
働きたくないなぁと思いながら学生を長くやった後に日本語教師を2年、その後言語聴覚士というリハビリ職を11年続けました。
しかし今一つ熱意が持てなかったのと、雇用されないと仕事ができない現状をとてもまずいと思ったので退職。 言語聴覚士も廃業してゼロから Web 制作を始めました。
フリーランスもあまりうまくいっていなかった時にご縁で採用してくれたのが前職の会社です。 未経験ながら Web マーケターとして採用されました。ここで3年勤めたタイミングで転職に踏み切ります。
転職の動機
前職はぶっちゃけラクでしたが、以下の理由で「転職しよう」と強く思いました。
社内の便利屋になりかけていた
社内では重宝されていたものの、果たして他の会社でも通用するスキルレベルなのか不安でした。ずっとほぼ独り職場で独学でやってきていた弊害です。
Web に明るい人たちの中で揉まれる経験が必要で、それを得るなら今しかないと考えました。
待遇に不満があった
待遇は未経験で入社した時とほぼ変わっていませんでした。3年間は修行と割り切っていたのでそれでも良かったですが、ずっと安く使われるのは嫌です。
ここで納得できる待遇にこだわろうと思いました。 もちろんそれに見合った仕事ができる自信があってのことです。3年でそのくらいの力はついただろうと考えていました。
会社の文化が合っていなかった
常々「この会社では言っていることとやっていることは違うな」と感じていてストレスでした。
ホワイトな職場ではありましたが、魅力ある職場とは言えず。正社員登用の話もありましたが、気が進まなかったので転職を選びました。
自分の人材価値を知りたかった
3年がんばった成果がどれほどのものなのかは、社外に出てみないとわかりません。社内の反応からは一定の評価が得られていましたが、「本当にそう思ってますか?」という部分もありました。
プロ野球のFA宣言した選手が「他球団の評価を聞いてみたい」と言っていますが、あれと同じ心境です。
40代の転職活動のリアル
いくつかのエージェントに登録し、エージェント経由と直接の両方で応募していきました。
直接応募ならエージェントに支払う手数料は発生しないので書類審査の通過率が上がるだろうと踏んでいたのですが、実際はエージェント経由の方が通過率が良かったです。お金をかけてでも良い人材を採りたいということなのでしょう。
一番落ちたのは書類審査。書類さえ通れば一次面接はほぼ通過していました。しかし2次面接で全滅です。なかなか手応えが得られないまま半年ほど転職活動を続けた結果、都内の Web 制作会社から内定をいただき入社しました。
マッチする会社は、びっくりするほどすんなり合格します。どれだけ努力したとかはあまり関係がないとわかりました。
40代転職1ヶ月目の現実
多少のキツさは覚悟していたにも関わらず、 想像よりはるかにハードで「1ヶ月続かないかも」と真剣に思いました。
これは、ひとえにぼくの能力や経験のなさによるところです。
適応がむずかしかったのは「仕事のスピード」と「人間関係」でした。
仕事のスピード
単純計算で前職の5倍速くなりました。
前職なら一週間で出来れば早いねと言われていたのがここでは翌日に仕上げるのが当たり前。スピード感のあまりの違いに毎日生きた心地がしませんでした。
しかしこれは、工夫と努力でクリアするしかありません。
実際には、そこまで早かったわけではないと思いますが、慣れない環境でそう感じてしまったのはあります。
人間関係
フル出社なので人間関係は自然にできていくだろうと思っていましたが、甘かったです。
ぼくのキャラクターもあったと思いますが、周りの人と気軽にコミュニケーションが思うように取れませんでした。
もし周りと気軽に話せる関係を作れていたら、仕事への精神的負担は変わったでしょう。
他愛ない話ができる関係の尊さを知りました。
40代の転職2ヶ月目の状況
一か月目は来月も会社にいられるイメージが湧かなかったので、通勤定期を買っていませんでした。
2ヶ月目に入ってからなんとなく買おうかなと思えるようになったので買いました。 気持ちは明らかに変わっており、とりあえずひと山は越えた感じです。
会社の方々にも助けられて、なんとかここまで辿り着きました。
転職後のツラい状況を打開した方法
ツラい状況はちょっとしたことでよくなります。やってよかったことは3つありました。
しゃべってくれそうな人を探した
ツラいことは人に聞いてもらった方が楽になります。 ぼくは、お昼に出て行こうとする人を後ろから捕まえてついて行きました。
帰るタイミングが一緒になった人には話しかけてみて、乗ってきてくれたらそのまま話しまくりました。
とにかく、喋ってもらえるのがありがたかったです。
時間外に仕事をした
要求された量が時間内にできる見込みがなかったので、時間外に仕事をしてストックを作りました。
「サービス残業じゃないか」と思われるかもしれませんが、時間内の仕事のプレッシャーを減らせるなら全然ありです。心穏やかに仕事ができる環境を作ることが最優先でした。
週に4時間ほどカフェでがんばることで、少なくとも出社が怖いという状態はなくなりました。安いものです。
ちなみに、6ヶ月目の現在は時間外に仕事はしていません。勤務時間内に収まりました。慣れですね。
成果を作った
2ヶ月目に入ったところで目に見える成果が一つ出ました。
運がよかった面もあるし、周りのサポートに恵まれたところもあります。これにより自分に対する社内の見方が変わった気がしていますが、あくまで気がするだけです。
でも、気持ちの変化は大きいですよ。
きつかったけど、40代で転職してよかった
仕事は前職に比べて明らかに大変になりましたが、それでも転職してよかったと言い切れます。理由は以下の通りです。
自分の力をゼロベースで見られた
あのまま前職に留まって「自分はできる」と勘違いしていたら、本当に他では使えない人になっていたと思います。他社も見られてラッキーでした。
スキルがめちゃ伸びた
ストレスはすごかったですが、そのぶんスキルはめちゃくちゃ伸びました。
はじめは無理だと思われた仕事の量もやり方を工夫して今はほぼこなせています。
人間の適応力はなかなかのものです。
健康になった
前職の時より健康診断の数値が良くなりました。
フル出社で毎日往復1時間ほど歩くからだと思います。
またハードな仕事に備えて早寝早起きが習慣になりました。
40代で転職を考えている人に伝えたいこと
総合的に見て40代の転職はコスパが悪いです。
転職先を探すのにかかる労力は途方もないし、苦労して見つけた転職先が当たりかどうかは入ってみないと分かりません。苦労が多い割に勝ち目の薄いギャンブルのようなものだと、ぼくは思います。
今の会社でがんばれるならその方がいいでしょう。残留をお勧めします。
ぼくが大変ながらも転職して良かったと言えるのは、次に繋がる経験ができているからです。
待遇へのこだわりもあって決意した転職でしたが、ワークライフバランスの大事さにも気づけました。
今、転職すべきか、自分で判断できない人はとりあえず自分の市場価値を調べてみましょう。価値があるならやってみるという判断でいいかと。市場価値を診断してくれるアプリもあります。
>>ミイダス
頼れるのは会社ではなく『自分のスキル』
仕事が大変でもポジティブに考えられたり待遇にそれほどこだわらなくてもいいのは、ぼく自身にスキルがあるからです。
5年ほど前までは会社の仕事以外に何もできない人でしたが、ほぼ独学でライティングやサイト制作ができるようになりました。
今はそれを世界最大のオンライン学習プラットフォーム Udemy で教えています。これからの人生で選択肢を増やしたいと思っている方はぜひのぞいてみてください。3〜5時間のコースが本一冊分の価格で受講できます。